整理室日記 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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資料作りは大変

杉山 俊介 同志社大学 文学部三回生

最終更新日 2002年12月5日

 以前「整理室日記」で触れられたように、去る11月3日のホームカミングデーにおいて、発掘速報展として出土品の公開展示を行いました。もちろん、展示の主役は掘り出された遺物ですが、他にも色々と用意したものがあって・・・。今回は展示に使うための説明資料製作の話です。

 一口に「説明資料」といってもその種類は多岐にわたります。キャプション、展示品の解説パネル、写真パネル・・・。展示の日が近づくにつれ、整理室はキャプションの切れ端やら、紙くずやらでしだいに散らかっていきます。そんな中、私は一人、地図をつくっていました。

 なんの地図かというと、京都市内に江戸時代に存在していた焼物の窯の位置を示した地図です。今回の調査で、京都で焼かれた焼き物、いわゆる「京焼」がいくつも見つかっており、これらは「上京の歴史を復元する」上で、鍵となる可能性も持っているのです。というわけで、江戸時代の日記やら、焼き物事典やらさまざまな資料をひっくり返して情報を集め、時代ごとに分けてポイントを落とす作業にとりかかりました。

 作業の流れとしては、まず実際の地図をもとに手書きで京都盆地の略地図をつくり、それをパソコンに取り込んで色づけし、最後に窯の位置をその窯の名前ともども地図上に書き込んでいく、というものです。もちろん全部手書きで仕上げることもできましたが、パソコンを使うと、きれいに、かつ早くでき、その上拡張性に優れる、という利点が生まれます。これ以外にも色々な場面でパソコンは大活躍。整理室になくてはならないものになっています。

 ・・・たしかによいことづくめなのですが、大変なことも多々あります。データの重さに耐え切れずにパソコンがとまってしまったり、正しい操作をしているはずなのになぜか言うことを聞いてくれなかったり・・・。何気なく飾られている説明資料も、じつは数々の困難に見舞われながら作られているのです。


ペンタブレットで編集中




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