整理室日記 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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第44回 : 遺物整理体験記

實井 芳允
同志社大学法学部法律学科3回生

最終更新日 2004年10月26日

 僕はもともと歴史に興味があったので、整理室での作業はどれも、とても楽しいものです。
 初めて整理室に来たときは、棚や机の上にたくさんの土器が並んでいるのを見てびっくりしました。土器を実際に手で触ってみると、細かい砂がざらざらしてひんやりしていて心地よかったです。
 昔、博物館に展示されているのを見たときはどの土器も同じように見えたのに、実際に自分がこれらの土器を触って作業をしていると、土の色もそれぞれ微妙に違うし、お皿の形や大きさも全然違うのだなあと思いました。

 僕が特に好きなのは『接合』で、これはバラバラになって出土した土器の破片を探し出してくっつける作業です。出土する土器はほとんどが赤い土の色をした土師器なので、細かく割れている破片を探し出すのは至難の業です。だから、ぴったりとくっついたときは「やった!」と思います。
 『実測』は1ミリ単位で厳密に大きさを測らなくてはいけないので少し苦手ですが、整理室での作業を始めてから、博物館に行ったときに展示されている土器の横に実測図が示されているのを見て、展示された土器には実測図を表示していることに初めて気がついて感動しました。テレビを見ていたらエジプトで考古学の研究チームが発掘作業をしている様子が映っていて、彼らも僕が実測をするときに使っている道具と同じものを使って実測していたので、専門の人たちと同じものを使っているのか、と驚きました。
 報告書作成のための整理作業も、佳境に入っています。みんな頑張っています。


土器接合作業の様子

遺物の実測作業



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