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第38回 : 新大学会館展示スペシャル ~その6「洛中洛外図」~


堀井 佳代子
文学部文化学科文化史学専攻4回生

最終更新日 2004年3月10日

 今回も、前回に引き続き、洛中洛外図屏風展示の内容について説明します。

 ここで出来ることは大きく分けて二つあります。
 まず一つは、手元のタッチパネルを使ってすみずみまで自由に拡大・スクロールし、洛中洛外図に描かれた16世紀の上京を自由に探索してみようというもので、「探索・洛中洛外図」に用意されています。ここではさらに、屏風内に描かれた建物を「寺・神社」「武家の邸宅」など項目別に分類し、建物の名称を選ぶと、その建物が画面に表示され、場所に関する説明が出てくるようにしています。例えば「寺・神社」の中から、「相国寺」を選ぶと、画面に屏風内の相国寺の画像と解説文が表示されます。

 もう一つは、シナリオ機能と呼ばれるもので、紙芝居のように、用意されたストーリーに沿って洛中洛外図の世界を楽しむことができるものです。ここでは、

  1. 洛中洛外図屏風とは何かというその名も「洛中洛外図基礎知識」
  2. 上杉本洛中洛外図屏風と、それより20年ほどさかのぼる時期に描かれた歴史民俗博物館蔵甲本を比較した「上杉本と歴博甲本」
  3. 現在と500年前との上京の景観を比較した「町の景観、今・昔」
  4. 現在の同志社大学のキャンパス周辺が、洛中洛外図の描かれた室町後期当時はどのような姿であったのかをテーマとした「同志社大学と洛中洛外図」
  5. 洛中洛外図内に描かれている川と通りを現在の姿と比較した「洛中の通と川」
のストーリーが楽しんでいただけます。ご覧になったみなさんが、洛中洛外図屏風の世界の中だけにとどまらす、そこに描かれている上京の歴史をより深く考えていけるお手伝いができればと思っています。

 この他にも、寒梅館の場所にあったと考えられる「花の御所」を発掘した時の記録や、この歴史資料館ホームページを見ることができるコンテンツも用意しています。

 全6回にわけてお送りしてきました新大学会館展示スペシャル、いかがでしたか?この展示は、4月1日の大学会館オープンを待って、みなさんのお目にかかれることとなります。それまであともう少し。私たちも最後の準備作業に日々がんばっています。
 実際に展示に触れて、上京の歴史の魅力を体験しに、ぜひいらっしゃってください!



完成まであとわずか!



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