整理室日記 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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学生会館のかたすみで

北中 達也
 同志社大学商学部 一回生
大岩根 安里
 同志社大学神学部 一回生
加賀田 麻衣
 同志社大学商学部 一回生

最終更新日 2002年10月23日

 今日は、整理室をすこし離れて、新しい学生会館へ散歩にでかけましょう。
 おや、中庭のかたすみで、3人の学生が、なにやら石列を囲んで話し込んでいます。ちょっとすみません。
 その石列は?

 この石列は発掘調査でみつかったもので、16C初から17世紀末(安土桃山時代)のものだと思われます。建物の基礎部分、とするのが一般的です。この新町キャンパスは、かの藤原氏の子孫の中でも地位の高かった「近衛殿」という人の邸宅跡で、かなりの規模があります。石列と関係するかどうかわかりませんが、少し知識があれば、ただの石列が大変意味のあるものになるのです。遺跡と遺物から考え、想像し、形にしてゆくのは考古学の楽しい所です。静かに石列が物語っていることを読みとるのは、大切な事です。(北中)


 石列を見て感じたことは、今まではただ歴史で習うだけで、実際にあった、という実感がわきませんでしたが、今、生活しているこの場所で、安土桃山時代のものを生でふれあうことができて、歴史に現実感がもてるとともに、また見る事により臨場感がわきました。昔の人と繋がったような感じがして感動しました。この貴重な体験は、同志社生だからこそできることだと思います。この環境に感謝しながらも、もっと多くの事を学んでいきたいと思います。(大岩根)


 みんなでていねいに掘り出した石列を、一人でも多くの人々に、実際にふれて見ていただくために、発掘された形のまま、学生会館の中庭の角に移し再現しました。本来は、20m南に離れたエレベーター前あたりから発掘されたものです。場所など少しわかりにくいかもしれませんが、石敷きについての詳しい説明板もつける予定ですので、みなさんぜひ見に来てください。(加賀田)


昔の人とつながっているところ


石列の移築復元中




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