整理室日記| 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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考古学に学ぼう~発掘から展示まで~

橋口 英恵
 同志社大学神学部 一回生
岡田 秀之
 同志社大学歴史資料館アルバイト職員
松田 度
 同志社大学歴史資料館非常勤嘱託職員
 同志社大学大学院博士課程後期

最終更新日 2003年2月21日

 今回は、遺跡の発掘、出土資料の整理と、その成果の公開方法について考えている私たちの声を紹介します。

土の下の世界~発掘現場にて~
 寒い寒い中、土を掻き出すのは大変でした。でも現場に立てたことはとてもうれしかったです。やっぱり充実感が違いますねー。鋤柄先生や松田さんが「この石はいきている。これは死んでいる。」とか言ってることには なぜだ!?って感じで分からなかったけどすっごーい…!と感動でしたね。小さいころ読んでた発掘の作業に自分が参加できるとは……
(橋口)

発掘調査・整理作業から得るもの
 発掘調査に参加して、半年が経過し、当初は無知だった僕もいろんな経験を積ませてもらい知識が付き、興味と関心を持つようになりました。実際に調査現場に出た時は、何百年も前の地層から出土した銭や皿、住居の跡などが発見される度に、その時代の人々の暮らしぶりを垣間見ることができ、歴史に対する好奇心が湧き、その一つ一つを保存していくことに重要性と責任感を感じました。
 また銭の洗浄作業をした時は、泥やサビで正確に認識することができない文字をブラシや超音波洗浄器で洗って、徐々に綺麗になっていくのを見ると時間が経つのを忘れて没頭し、くっきりと読み取れるようになると楽しくて毎日、銭の洗浄をするのが心待ちになりました。
 銭洗浄が終わると拓本作業に取り組みました。最初は水の比率が多くて紙が破れたり、うまく紙を巻けても墨を打つタイミングがズレて、荒くなったり真っ黒になりました。何度も失敗しましたが、諦めずに頑張っているうちに、まともな拓本が作れるようになり、いつの間にか他の人にも教えられるまでになりました。
 洗い作業では、皆が洗っている遺物が混ざらないように管理するリーダー的な役割を任されました。現場から出土した数十個に及ぶコンテナに入っている遺物を、混同しないように洗い分けるには同じ作業をするメンバーの協力が不可欠で、最初は慣れない作業ということもあり、直々混乱することもありましたが、お互い声をかけ合うことで、そういった問題も解決できるようになりました。これらの普段は経験できないような貴重な体験が出来たことは、忘れられないいい思い出になります。
(岡田)

今後の歴史展示の企画について
 現在、同志社大学の学生がかかわる、2つの歴史展示プロジェクトが進行中です。ひとつは、室町殿跡(大学会館地点)の発掘調査成果を中心に、現在建築中の仮称新大学会館内に設けられることが決まった、「上京」の地に建つ同志社大学の特色を生かした歴史展示です。専門家たちが頭をそろえるこのプロジェクトに、学生たちは展示テーマの構想を練る「アイデアマン」として参加しています。ふたつ目は、京田辺にある歴史資料館展示室での「ミニ企画展示」です。これは、学生が起案した展示案を、歴史資料館サイドとの話し合いで実現させるというプロジェクトで、大学の歴史資料館があるべき今後の姿を象徴しているともいえるかもしれません。
 この2つのプロジェクト、進行状況については随時このホームページで公開してゆく予定です。
(松田)


整理作業もチームワークです




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