整理室日記 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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室内作業にかける青春

里見 徳太郎
同志社大学歴史資料館アルバイト職員

最終更新日 2003年2月13日

 去年4月に発掘調査のメンバーに加えていただいてから、10か月が経過しました。本当に早いものです。

 さて、去る1月16日をもって発掘現場での作業は無事終了し、現在、遺物の洗浄、分類、接合といった室内作業が順調に進行中です。出土した遺物の量はかなり多いので、アルバイトの学生さんたちの力が欠かせません。私は現在、主に接合と実測を担当しています。

 接合は、その名の通り、バラバラになった遺物をつなぎ合わせる作業です。色や形、模様、割れ口の形状などが手がかりになります。すり鉢や鮮やかな色の染付皿など特徴が明確なものはすぐに接合できますが、出土遺物の多数を占める「かわらけ」はどれも同じように見えるので、ジグソーパズルのように、これはと思うものを次々に試してみるしかありません。地道な作業ですが、きれいに接合できた瞬間の喜びは苦労を吹き飛ばしてくれます。

 実測は、遺物を実寸大の図に記録する作業です。作業の手順は文章では説明しにくいので省きますが、こちらもなかなか根気のいる作業です。実測図はスケッチとは違い、「ここからここまで何mm」といった数値データを図に置き換えたものといえますから、正確さが必要です。実際、1mmずれただけでも実測図の上ではかなり印象が違ってきます。最近実測にもようやく慣れてきましたが、複雑な形の遺物を実測するのはやはり難しく、つい簡単なものを選んでしまいます。

 このほか、遺構を手書きで記録した概念図と専門の業者さんによってコンピュータで作成された図面とを照合・補正する仕事などもあり、忙しい毎日ですが、楽しく仕事をしています。


接合できたら実測しようね




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