松本 裕世
同志社大学 歴史資料館 嘱託要員
最終更新日 2002年2月22日
今回は出土した遺物がどの様に整理され、登録されるかについてのレポートです。
第一回でお伝えした整理事務所に出土した遺物がコンテナに入って現場より運ばれてきます。まずはそれらを洗います。そのときに使うのが、スポンジ・ブラシ・筆・竹串です。出土したものが、小さくて細かい時は竹串も使います。その他、出土したものによって洗う道具を変えていくのです。水洗いが済むと乾燥です。ここがポイントで乾燥した後、瓦、土器、陶磁器、木製品や植物質の製品や種、金属製品、石製品、骨や動物質の製品、その他の7種に先に分類してしまいます。そしてそのそれぞれに、通し番号をつけていくのです。ここで分類することによって後の仕分けや保存が解かり易くなります。通し番号を付けたら登録です。通し番号と分類項目・日付・国土座標によった位置情報等をコンピューターに入力していきます。
登録が終わったら、通し番号順にマイラーベースの記録用紙を含めた形でのスナップ写真撮影です。後の整理と画像情報の質を考慮してAPSで撮影しています。仕上がってきた写真は台紙に貼って整理され出土置物の概要を知るときの手引きとなります。そして特別なものから順(鋤柄先生による選別)に、面相筆というとても細い筆で遺物に注記していきます。注記は新町北別館地点の略号(SKB)と登録番号です。これを書いている今日は2月15日で、まだ発掘を開始してから4日目ですが、次々とコンテナに入った遺物が運ばれてきています。整理事務所では早々と洗ったり、乾燥させたりと日々忙しく作業しています。