発掘物語 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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ある日、突然

松本 裕世
同志社大学 歴史資料館 嘱託要員

最終更新日 2002年2月1日

はじめまして、発掘調査事務所で働くことになりました松本です。実はまったくの考古学、発掘の未経験者です。発掘といえば、スコップをもって土を掘るというイメージしか湧かないほどの素人です。そんな私がある日突然、縁あって今回の新町北別館発掘の仕事をすることになりました。どうなることかと、心配ですが精一杯がんばりたいと思います。ここではそんな私の発掘体験記を進行状況など踏まえてお伝えしていきたいと思います。 第一回は -発掘の流れと整理事務所開設- についてです。

まったくのなにも知らない私は鋤柄先生に、大阪・奈良の現場などに連れていっていただき、発掘がどのような順序でおこなわれるのか、いったいどんな道具が必要なのか等を教えて頂きました。とても興味深くて面白かったです。

おおまかな順序は、 機械掘削にてある程度掘り下げてから人力掘削です。そして写真を撮ったりして遺構面を測量します。出土した土器などの遺物については、登録した後、洗って乾かし、スナップ写真をとりデータを入力して、その一つ一つに番号を注記していきます。その後接合していきます。すべてを記録しデータとして残していくのです。かなりおおまかですがこんな感じで作業は進んでいきます。

実際に見学する前はなんとなくゆっくりとしたスピードで作業が進められていくと思っていましたが、大間違い!!発掘はものすごくスピーディーで、体力勝負です。しかも最新の機器を使いデータを取っていくのです。正直、想像していたのとは程遠くて驚いています。コンピューターにも強くなる必要がありそうです・・(頑張ります!!)

そして、大体の流れをつかむことのできた私は、次に実際に土器などを洗ったり、番号を注記する整理事務所を開く準備をしました。場所は新町校舎、臨光館地下です。現場に行き、写真を撮って、収納棚や作業机、洗い場などをどこに置くかを考え、図面に書き込みました。そして完成したのが写真の事務所です。コンテナやそれ専用の収納棚、土器洗いのブラシ・・何もかもが今までに係わったことのないもので、それらを集めるのが大変でした。でも、色々な専門の道具の名前を知ったりと楽しいことも多いです。(またの機会に発掘の道具の種類などもお伝えします。)

2月から本格的に発掘の作業が始まります。素人の私がどこまで、報告することができるかわかりませんが、これから宜しくお願いします。


今出川の整理事務所



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