発掘物語6 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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こちら「近衛殿」です!! ~現地説明会によせて~

松田 度
同志社大学歴史資料館調査研究員

最終更新日 2004年7月8日

 7月10日の現地説明会にむけて、歴史資料館の新町事務所もあわただしくなってきました。
 今回は、説明会直前ということで、これまでに分かった調査の成果を整理しておきたいと思います。

 同志社大学では、臨光館の改築にともない、新町キャンパス臨光館地点の発掘調査を4月19日から7月23日までの予定で実施しています。
 調査の結果、室町~江戸時代を中心とした遺構・遺物が発見されました。なかでも注目されるのは、近衛家の邸宅にかかわる遺構・遺物です。

 室町時代から安土桃山時代(15世紀後半~16世紀)に位置づけられる石敷きと溝(発掘物語6:第3回第8回)の発見によって、洛中洛外図に描かれた頃の近衛家の邸宅の範囲について、大きな手がかりを得ることができました。邸宅内に位置する15世紀後半~16世紀頃の井戸状土坑からは、大量のかわらけと中国陶磁器などが出土し、なかには饗宴や儀式の具体的な内容をうかがうことのできる文字資料などもみられます(発掘物語6:第14回)
 また、安土桃山から江戸時代にかけての建物、石敷き、石組は、中世から近世へと移り変わる公家の邸宅の実態を、周辺の町屋とのかかわりにおいて解明できる資料といえます(発掘物語6:第13回)

 今回実施する説明会の内容は以下のとおりです。

内容:1
 発掘調査現地説明会(場所:京都市上京区新町通今出川上ル 同志社大学新町キャンパス西側 臨光館跡地)
 現地では、江戸時代の近衛家邸宅にかかわる石組み・石敷きと、最新の発掘成果をご覧いただけます。

内容:2
 出土遺物展示(場所:現地説明会会場北側・歴史資料館新町現地調査事務所)
 調査でみつかった主な出土品について、解説パネルを用いた展示を実施します。

内容:3
 スライドショー上映会(場所:同キャンパス尋真館1階2番教室:Z2)
 すでに調査が終了した室町時代の遺構などについて、スライドショーで紹介します。

 2時間という短い時間ですが、充実した現地説明会にしたいと思います。皆さんお誘い合わせのうえ、どうぞお越し下さい。


現説準備で大忙し

ミナサン、キテクダサイ。





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