発掘物語2 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

ホーム >執筆記事 >発掘物語2

レーザー光線

鋤柄 俊夫
同志社大学 歴史資料館 専任講師

最終更新日 2002年8月12日

 今回の調査では、これからの考古学研究と発掘調査に向けて、いくつかの新しい試みをおこなっています。その最も中心に置かれている考え方がGIS(地理情報システム)と呼ばれるものです。遺構(井戸や柱穴など)や遺物(陶磁器など)から得られる歴史情報の量は、それらの発見された時(出土・検出状況時)が最大です。それゆえ、そのときにどれだけたくさんの情報を取得できるかが、発掘調査における重要なポイントで、遺跡による歴史復原は、それらの発見物群を遺跡全体の中で、どのように論理的に関連付けるかによっておこなわれます。

GISは、そのような発見時の情報、具体的に言うと、「なに」が「どこ」から「どのくらい」「どのように」出土したかの情報を、3次元の座標データを軸にデジタル化して取得し、さらにそれをデータベース化することによって、遺跡から得られたできるだけたくさんの情報を総合化するための研究支援システムと考えています。

そのため、今回の調査では遺跡情報取得のためのさまざまな試みを行っていますが、発掘物語2の第13回で紹介しました石敷きにつきましては、その特異な状況を考慮し、従来の写真測量に加えて、3次元レーザースキャニングシステムを採用し、5ミリ方眼で石敷き全体の3次元座標点群の測量をおこないました。その基本原理は照射したレーザーの反射時間を距離に換算して対象物の3次元座標を計測していくもので、これにより石敷きは、ヴァーチャル空間の中で全方向から5ミリ単位で検討することが可能となります。

今後このデータをもとにして、かつてその上にあった建物についても復原していきたと考えています。


測量風景

測量図



ページの先頭に戻る