杉山 俊介
同志社大学 文学部三回生

最終更新日 2002年12月5日

 ここで紹介する地図は、江戸時代に京都市内に所在した京焼窯の分布を、1世紀ごとに1枚にまとめて示したものです。それぞれの図にある窯がすべて同時に存在していたわけではなく、いくらか前後している場合も少なからずありますが、京焼の変遷をたどる上でいくらかの情報をもたらしてくれることと思います。

 図1は17世紀から18世紀に至る100年間に稼動していた窯の分布です。現在の京都市中心部を核に、右京から近江との国境近くまで、極めて広範囲にわたって窯業生産地が存在していたことがわかります。ただし、北山や伏見方面にはったく見受けられません。

図1 17世紀から18世紀に至る100年間に稼動していた窯の分布

 そして、図2に表されている18世紀から19世紀に入るまでの時代には、いくらかの変化が起こっています。あいかわらず南部には窯らしきものがないのに対して、北部の山沿いには窯業地が出現しています。また、東山での生産が活発になってきているようです。

図2 18世紀から19世紀に入るまでの時代

 ところが、ここまで拡大傾向を見せ続けてきた京都の窯業地が、一転して規模の縮小へと向かうようになるようです。図3を見てみると、それまで北部にあった窯が軒並み消滅し、窯の総数自体がかなり減少していることに気づきます。しかし、それと対照的に南部にも一ヶ所だけながら、ようやく窯業地が誕生していることも見逃せません。

図3

資料(Ms-Excelファイルへのリンク。以下の内容を含んでいます)
1 「京焼」名の初出
2 代表的な窯
3 文献のない窯
4 京都近郊の茶陶窯

参考文献
・河原正彦 他「日本やきもの集成 5 京都」平凡社1981
・佐々木達夫「日本史小百科 29 陶磁」近藤出版社1991
・中ノ堂一信「京都窯芸史」淡交社1984
・児玉幸多 編「日本史年表・地図」吉川弘文館1995
・鳳林承章 著「隔冥記」 第一~三」鹿苑寺1958・59・60
・赤松俊秀 編・国立歴史民俗博物館
 「国立歴史民俗博物館研究報告 第三十七集 ”近世窯業遺跡データ集成”」