最終更新日: 2004年1月20日

岩倉大鷺町地点
発掘調査報告

目次

  • はじめに
  • 例言
  • I 位置と環境
  • II 調査の成果
  • III まとめ(松田)
  • 参考文献
  • 抄録
  • 図・表一覧
  • 写真一覧

  • ※ この報告で用いた遺構・遺物実測図については、PNG形式による縮小画像のみの閲覧となっております。
    詳細をご覧になりたい方、DXF形式のベクターデータでの閲覧を希望される方は、図・表一覧からのダウンロードでご覧いただけます。
    なお、本報告で用いた地図を二次的に利用する場合、個人的な利用の範囲であれば手続き等は不要ですが、別途成果物を作成される場合は国土地理院への申請手続きが必要になる場合がございます。その際は、国土地理院までお問い合わせください。

    岩倉大鷺町地点 発掘調査報告

    同志社大学外国人客員教員宿舎(看山ハウス)新築工事にともなう発掘調査


    II 調査の成果

    2 遺構と遺物

    ii 遺物
    (図23・写真21,22,23)
    その他

    その他、遺構にともなう遺物と包含層の出土遺物について、トレンチごとに詳述する(図23-1〜4・6・8〜15・18・20〜23および写真21,22,23)。

    トレンチ1

     表土掘削中の出土遺物としては、土器・陶器、磁器、須恵器、鉄滓がある。
    22は染付である。透明釉が施されている。体部は緩やかにたちあがり、口縁部端部は尖り気味に成形されている。口径は5.6cmであり、高台径は3.0cmであり、器高は3.3cmである。器種は小坏である。内面には判読不能であるが、朱書がある。時代は近代以降のものである。

     溝1からの出土遺物としては、土器、磁器、須恵器がある。
    4は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。器種は蓋と考えられる。外面にははっきりとした稜線が一本めぐっている。口縁端部は下にむかってすこしはりだしている。成形にはろくろが用いられている。小片であるため、直径は不明である。 時代は9世紀前半代と考えられる。

     溝2からの出土遺物としては、土器、陶器、磁器、鉄製品、鉄滓がある。
    20は陶器である。内面にのみ釉が施されている。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。外面には格子状に筋が入れられている。体部はゆるやかにたちあがり、口縁部端部は丸みをおびている。口径は5.8cmであり、高台径は2.6cmであり、器高は2.4cmである。器種は小坏である。23は染付である。透明釉がかかる。体部はゆるやかにたちあがり、口縁部端部は丸みをおびている。口径は11.0cmであり、高台径は4.8cmである。器種は皿である。

    トレンチ2

     地山上面からの出土遺物としては、土器・陶器、磁器、須恵器がある。
    9は須恵器である。器種は高坏と考えられる。胎土はきめ細かく、焼成はややあまい。脚部ははりつけである。脚部径は4.6cmである。外面は回転ナデによる調整を受けており、内面はユビナデによる調整を受けている。

    トレンチ3

     表土掘削中の出土遺物としては、土器・陶器、磁器、須恵器、鉄製品がある。
    10は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内面外面ともに回転ナデによる調整がなされている。体部はやや垂直にたちあがる。外面底部は回転ヘラ削りがなされている。高台は低く、はりつけ高台である。高台の内側部分は丸みをもって調整されている。高台底部に一本沈線がめぐっている。高台径は9.2cmである。器種は坏身と考えられる。

     第3層からの出土遺物としては、土器、磁器、須恵器、鉄製品がある。
    12は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内面外面ともに回転ナデによる調整をうけている。体部はゆるやかにたちあがり、最下部でおさえをうける。外部底面は回転ヘラ削りがなされている。高台は低く、はりつけ高台であり、やや焼きひずんでいる。底部端面は平らに調整されている。高台径は8.0cmである。器種は坏身である。

    トレンチ4

     第3層からの出土遺物としては、土器・陶器、磁器、須恵器、緑釉陶器の軟質素地がある。
    14は緑釉陶器の軟質素地である。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。内面外面ともに丁寧なナデ調整が施されている。内面底部に一本の沈線がめぐる。高台は削り出し高台であり、底面は平らに調整されている。高台径は8.0pである。器種は碗または皿と考えられる。19は土師器である。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。内面と口縁部端部は回転ナデによる調整をうける。外面体部はユビおさえによる調整をうける。体部は外反し、口縁部は丸みを帯びる。口径は9cmである。器種は皿と考えられる。  

     土坑5(井戸)からの出土遺物としては、土器・陶器、須恵器、石がある。
    1は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内外面ともに回転ナデによる調整がなされている。口縁端部は両面からおさえをうけ、下方にはりだしている。小片のため径は不明である。器種は坏蓋である。2は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。内面外面ともに回転ナデによる調整をうける。口縁部端部は下方にはりだしている。小片のため径は不明である。器種は坏蓋と考えられる。18は土師器である。色調は7.5YR8/3〜7.5YR8/4であり、胎土はきめ細かく、焼成はややあまい。内面と口縁部は回転ナデによる調整をうける。外面体部はユビ押さえによる調整をうける。小片であるため径は不明である。器種は皿である。
    また、図示できないが瀬戸美濃系の灰釉陶器も出土している。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。小片であるため機種、径ともに不明である。時代は16世紀末から17世紀初頭にかけてである。

    トレンチ5

     第3層からの出土遺物としては、土器・陶器、磁器、須恵器、瓦がある。
    21は磁器である。透明釉がかかる。胎土はきめ細かく、焼成は良好である。体部は内湾しつつたちあがる。口縁部は尖り気味に成形されている。外面底部は釉が施されていない。口径は4.0cmであり、高台径は3.0cmである。最大径は4.8cmである。器高は3.2cmである。器種は小坏である。

     土坑11からの出土遺物としては、土器、須恵器がある。
    3は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内外面ともに回転ナデによる調整をうける。外面中央部でおさえをうける。内面は口縁部端部で軽いおさえをうける。口縁部端部は下方にはりだしている。小片のため径は不明である。器種は坏蓋である。

    トレンチ6

     第3層からの出土遺物としては、須恵器、鉄製品がある。
    6は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内外面ともに回転ナデによる調整をうける。つまみ部は低くつぶれている。外面には回転ヘラ削りの痕が残っている。残存径は9.0cmである。器種は坏蓋である。

    トレンチ6拡張部分

     第3層からの出土遺物としては、土器・陶器、須恵器がある。
    11は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内外面ともに回転ナデによる調整をうけている。体部はゆるやかにたちあがる。底部は回転ヘラ削りがなされている。高台ははりつけ高台であるが、はりつけ後、両面から丁寧なナデを施している。底部は平らに成形されている。小片のため径は不明である。器種は坏身である。15は須恵器である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。内面に二か所、調整のためとみられるユビ痕がある。外面にはタタキの痕が残っている。器種は甕と考えられる。

     その他表採遺物として、土器、須恵器、緑釉陶器の素地がある。
    8は須恵器あるいは緑釉陶器の硬質素地である。胎土はきめ細かく、焼成はややあまい。器種は皿と考えられる。内面底部に沈線がめぐる。高台は削りだし高台であり、高台底部は回転ヘラ削りがなされている。高台径は6.0cmである。13は緑釉陶器の硬質素地である。胎土はきめ細かく、焼成は堅緻である。器種は皿と考えられる。高台は削りだし高台と思われるが、断面に軟質の胎土を残すため、複雑な製作過程を経た可能性も残す。高台底部は回転ヘラ削りがなされている。高台径は8.8cmである。








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