Exhibition work for " Quick report of Shinmachi-campus excavation Vol.1"
Kunihiko SHIMIZU
Student of Doshisha University Faculty of Letters
Last Updated on 5.10.2002
この発掘物語では、「新町校舎北別館発掘速報展T」の展示作業について述べさせてもらいます。展示作業にはいる前にまず、どのような展示を行うのかということを考えなければなりません。僕らは、「土坑441(調査区南側に位置する)から出土したひとまとまりの土師皿を中心とした時代ごとの出土遺物を展示する」という方針を立てました。そこで、この方針に沿った遺物を整理事務所で選び、歴史資料館に運びました。そこで行った作業を順を追って見ていきたいと思います。
1、キャプションを作る
単に遺物を並べただけでは展示されている遺物がどの時代のもので、どのようなものであるかをわかってもらえない場合があるので、展示遺物の手前に置く、時代や遺物名などを書いた紙(キャプション)をパソコンで作りました。
2、展示遺物を並べる
最も苦労したのが展示遺物を並べることです。時代別に展示するという方針なので、手前から見て左→右に時代順に並べました。同時代のもののなかでは、例えば、土坑441出土の土師皿は形で分けて並べ、さらに同じ遺構内で、同時代に埋められたと見なすべき状況で出土したひとまとまりの遺物(一括資料)であることを示すために、出土した状況を撮ったデジタルカメラの画像も展示する、江戸時代の茶碗は二つあったので、普通に置いたら見えない裏も見てもらえるように、片方を逆さにして展示するなどしました。
今回、展示作業をして感じたことは、当たり前のことかもしれませんが、見る人のことを考えて展示しなければならないということです。今回の展示では、土師皿は室町時代、安土〜桃山時代、江戸時代のものを展示しているのですが、キャプションがない、またはキャプションの置き方や遺物の並べ方が悪いと、同じ時代の土師皿として展示しているかのような印象を与えてしまう可能性があります。このような事態にならないように、気を付けなければいけません。
最後に
この「新町校舎北別館発掘速報展T」は現在、同志社大学歴史資料館の二階で見る
ことができます。
展示資料:高杯(脚部)、土師皿、天目茶碗、火鉢、すり鉢(丹波、信楽)、鏡の鋳
型など

公開にむけて展示遺物整列作業中。

配置された展示室(ケース)の全体図。